あせも
<目次>
1.あせも(汗疹、かんしん)とは
あせもとは、汗汗疹膚の表面で蒸発しきれず、汗腺の周りに汗がたまることで起きる皮膚の症状です。特に暑い日や汗をかきやすい環境で発症しやすく、子供から大人まで誰にでも起こり得る皮膚トラブルです。

2.あせもの症状
あせもの症状にはさまざまなタイプがありますが、一般的には次のようなものが見られます。
- 小さな発疹やぷつぷつした水疱
- かゆみや痛み
- 赤みやかさつき
- ひどくなると炎症やただれを伴うこともあります
●水晶様汗疹(白いあせも)水晶様汗疹は、白く半透明の小さな水疱が皮膚に現れた状態です。汗腺の出口が詰まることで、汗が皮膚内にたまり、水疱となります。べたつきやかゆみがあり、特に乳幼児や汗をかきやすい方に多く見られます。
●紅色汗疹(赤いあせも)紅色汗疹は、赤みを伴う小さな丘疹や発疹が皮膚に広がった状態です。炎症やかゆみを伴い、引っかくことで症状が悪化したり、二次感染を起こすことがあります。暑くて汗をかきやすい場所に多く見られます。
●深在性汗疹(白く平たいあせも)深在性汗疹は、汗腺の深い部分に汗がたまることで起こるもので、白く平たい隆起として現れることがあります。長期間放置すると皮膚が硬くなることもあるため、早めの対応が重要です。
3.あせもの原因
あせもは、汗腺が詰まったり、汗をかきすぎたりすることが原因です。特に以下のような条件が関係します。
- 高温多湿な環境
- 長時間の運動や運動後
- 衣服の素材や締め付けによる蒸れ
- 皮膚のこすれや摩擦
4.あせもができやすい部位
あせもは、以下の部位に多く見られます。
- 首回り-気湿や汗の蒸れやすさ
- 肩や背中-襟や衣服による摩擦や蒸れ
- 関節の内側-摩擦が起きやすい場所
- 脇の下-汗腺が多いため蒸れやすい
- おむつ部分(乳幼児)

特に暑い季節や運動後は、清潔を保ち、涼しい環境で過ごすことが大切です。何か気になる症状がある場合は、皮膚科専門医または東京都港区の白金あおば皮フ科クリニックまでお早めにご相談ください。
5.当院でのあせもの治療法
外用療法
- ステロイド外用薬 – 炎症やかゆみを抑えるために使用します。
- 抗炎症外用薬 – 軽い症状のときに効果的です。
- 保湿剤 – 肌のバリア機能を修復し、乾燥を防ぎます。
内服療法
- 抗ヒスタミン剤(抗アレルギー薬) – アレルギーによる反応やかゆみの軽減に役立ちます。
スキンケア指導
- 正しい洗浄方法:肌を傷つけないように優しく洗うこと。
- 適切な保湿:効果的な保湿のタイミングと方法について。
- 生活環境の改善アドバイス:蒸れやすい環境を避ける工夫をお伝えします。
6.日常生活でのあせも予防・対策
生活環境の工夫
- 適切な室温・湿度の管理:エアコンや除湿器を使用し、汗をかきすぎないよう調整しましょう。
- 通気性の良い服装を心がける:吸水性の良い素材や、締め付けの少ないゆったりとした服を選びましょう。長時間座るときも、こまめに立ち上がり、同じ姿勢を避けることが大切です。
お肌のケア
- 清潔を保つ:汗や汚れを残さないために、ぬるま湯と泡立てた石鹸でやさしく洗うことを心がけましょう。
- 汗の放置を避ける:汗をかいたら早めに洗い流すのが理想的です。シャワーが難しい場合は汗を拭き取ることもできますが、強くこすらず、汗拭きシートの使用には注意しましょう。着替えもこまめに行うと良いでしょう。
- 適度な保湿を行う:汗には保湿成分も含まれていますが、それだけでは乾燥を防ぐことはできません。夏場でも軽い保湿剤を使用し、皮膚のバリア機能を維持しましょう。
受診の目安
次のような症状があった場合は、なるべく早めに医療機関を受診してください。
- ひどいかゆみや症状が日常生活に支障をきたしている
- 夜間に掻いてしまい眠れない
- 自分では気づかないうちに掻き傷ができている
- 皮膚が赤く広範囲に腫れている
- 水疱が破れ、液体や汁が出ている
- 体に熱が出ている
- 自己ケアだけでは改善しない
- 同じ症状を繰り返している
あせも予防のポイント
- あせもを予防するためには、汗をかいたら放置せずすぐに清潔に保つことが大切です。
- 特にお子さんの場合、掻き壊すことでジュクジュクとなり、菌が繁殖して化膿が起きやすくなります。これを「とびひ」と呼び、抗菌薬による治療が必要になる場合があります。早めの受診を心掛けましょう。
- 早期に治すためには、効果の高いステロイド外用薬を適切に使用し、掻き壊しを防ぐことが重要です。ステロイドは適切に使えば安全ですが、ご不安な方は遠慮なくご相談ください。
7.よくある質問
Q. あせもは子どもだけにできるものですか?
A. いいえ、あせもは子どもだけでなく、大人の方もかかることがあります。特に汗をかきやすい季節や暑い環境、汗をかきやすい体質の方に多く見られます。
Q. あせもを放置するとどうなりますか?
A. かゆみや不快感が続き、ひどくなると感染を引き起こす可能性もあります。また、掻き壊すことで皮膚が傷つきやすくなり、化膿や二次感染のリスクも高まります。
Q. あせも予防にはどんなことに気をつければ良いですか?
A. 汗をかいたらすぐに拭き取ったり、清潔な状態を保つことが大切です。また、通気性の良い衣服を選び、長時間の汗や蒸れを避ける工夫をしましょう。
Q. 症状が軽い場合は、市販の薬で治りますか?
A. 軽度の症状であれば、市販のかゆみ止めや保湿剤で改善することもありますが、症状が続く場合や悪化する場合は、皮膚科医で適切な治療を受けることをおすすめします。
Q. あせもと似た皮膚の病気との見分け方はありますか?
A. あせもは小さな水疱や赤いブツブツが特徴ですが、他の皮膚病と区別が難しい場合もあります。特に症状が長引いたり、広がったり、痛みや膿が出ている場合は、早めに専門医に診てもらうことが大切です。
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